BOKI 3
日商簿記3級は「仕訳の順番」を固定する
借方・貸方の丸暗記ではなく、取引の意味から仕訳へたどる型を作ります。
3級は「仕訳の判断手順」を固定すると強い
3級で最初につまずきやすいのは、借方・貸方を丸暗記しようとすることです。先に見るのは左右ではなく、取引によって何が増え、何が減ったかです。現金が増えた、売掛金が減った、費用が発生した、という事実をつかんでから左右を決めます。
- 取引を日本語で言い換える。「商品を掛けで売った」なら、売上が発生し、代金はまだ受け取っていない。
- 使う勘定科目を決める。売上と売掛金を選ぶ。商品売買の処理方法が指定されているなら、その方法に合わせる。
- 各科目が増えたか減ったかを見る。売上は収益の増加、売掛金は資産の増加。
- 最後に借方・貸方へ置く。資産増加は借方、収益増加は貸方、と分類に戻る。
この順番を飛ばして「この文章ならA」と覚えると、表現が少し変わった問題で崩れます。簿記RUSHの4択も、正解の文字ではなく判断手順を再現するために使います。
最初に固めたい5本柱
1. 現金・預金と債権債務
現金、普通預金、売掛金、買掛金、未収入金、未払金は、3級全体の土台です。特に「商品売買から生じた債権・債務か、それ以外か」を切り分けると、売掛金と未収入金、買掛金と未払金の混同が減ります。
2. 商品売買
2026年度の3級では3分法を軸に、仕入・売上・繰越商品がどうつながるかを理解します。返品や値引きも「元の取引を取り消す」と考えると仕訳が安定します。2027年度以降は出題区分の改定があるため、簿記RUSHでは年度を切り替えて問題と解説を分けています。
3. 固定資産
取得時は本体価格だけでなく、使用できる状態にするための付随費用を取得原価へ含めるかを判断します。期末は減価償却、売却時は帳簿価額と売却額の差額へ進みます。計算より先に「取得・使用中・売却」のどの場面かを見分けるのがコツです。
4. 決算整理
前払費用、前受収益、未払費用、未収収益、貸倒引当金、減価償却、期末商品などは、期中の記録を当期分へ直す処理です。「現金を払った日」ではなく「どの期間の費用・収益か」に視点を移すと、暗記量が減ります。
5. 訂正・締切
訂正仕訳は、間違った仕訳を逆仕訳で消して正しい仕訳を入れる、と分けて考えると安全です。決算振替仕訳も、収益・費用を損益へ集める目的を理解してから形を覚えます。
よくある誤答を原因別に直す
| 誤答の型 | 直し方 |
|---|---|
| 売掛金と未収入金を混同 | 「商品売買から生じたか」を最初に確認する |
| 買掛金と未払金を混同 | 同じ取引先でも、商品か備品かで科目を分ける |
| 前払と前受を逆にする | 自社が払った側か、受け取った側かを声に出して確認する |
| 貸倒引当金の金額を全額計上 | 差額補充法なら「必要額-既存残高」で追加額を出す |
| 減価償却累計額を忘れる | 問題文に間接法の指定があるかを見る |
簿記RUSHでの3級の回し方
学習を始めたばかりなら、まず論点別10問を使います。現金・預金、商品売買、債権債務など、テキストで学んだ直後の範囲だけを解き、説明できなかった問題を詳細ページで確認します。
一通り学習したらランダム10問へ移り、範囲をまたいで思い出せるかを確認します。苦手10問は、間違えた問題を放置しないための復習箱として使います。サドンデスやタイムサバイバルは、正答理由が分かるようになってから使う方が、速度だけが先に上がるのを防げます。
2026年度と2027年度を混ぜない
日本商工会議所は、2027年4月1日から適用する出題区分表の確定版を2026年7月31日に公表しています。2026年度試験には従来の区分表が適用されるため、移行期は「今受ける年度」を意識する必要があります。
簿記RUSHでは3級の問題バンクを年度別に分けています。2027年度側で紙媒体の手形・小切手に関する扱いなどが変わる論点は、2026年度の問題をそのまま機械的に流用せず、年度ごとに確認する方針です。
正式な出題範囲は日本商工会議所の「簿記 出題区分表」も確認してください。
仕訳を3つのミニ例で確認する
商品を掛けで販売した
先に「商品を売ったので収益が発生」「代金は後日なので売掛金が増える」と言い換えます。3分法なら、借方に売掛金、貸方に売上です。左右を先に覚えるのではなく、資産の増加と収益の増加へ戻ります。
借:売掛金 / 貸:売上
事務用備品を後払いで購入した
商品を仕入れたわけではないので、商品売買から生じる買掛金ではなく未払金を使います。同じ会社から購入したとしても、取引の内容で債務の科目を分けます。
借:備品 / 貸:未払金
当期分の家賃をまだ支払っていない
決算整理では「現金を払ったか」より「当期に費用が発生したか」を見ます。当期分なら支払家賃を費用として計上し、まだ払っていない分を未払費用として負債にします。
借:支払家賃 / 貸:未払費用
正解した問題も、1行で理由を言えるか
4択では偶然や消去法でも正解できます。そこで、迷った問題は正解していても「商品売買だから売掛金」「備品購入だから未払金」のように、1行で理由を言えるかを確認します。理由が言えなければ、その問題はまだ定着途中です。
この確認を入れると、正答率が高いのに本試験形式で点が取れない状態を減らせます。タイムは、理由が短く言えるようになった後に縮めれば十分です。